人間とペット(猫)間で感染する人獣共通感染症を知ろう

人間とペット(猫)間で感染する人獣共通感染症を知ろう

前回「猫と一緒に寝ていますか?猫との添い寝で気をつけたいこと(投票結果付き)」についてを書いた時に人獣共通感染症について少し触れました。今回はこの人獣共通感染症のまとめです。
ここでは猫にかかわる感染症中心で書いていますが、他の動物からも感染するものもありますよ。

人獣共通感染症とは?

ペットから人へ感染する病気をひっくるめて人獣共通感染症と言います。
人獣共通感染症にはさまざまな病気があります。

主な予防法は推奨されている正しい飼い方

結論から言いますと、予防方法には、だいたい同じようなことがあげられます。
完全室内飼いで、一般的な清潔さを保てば、たいてい避けられると思います。

赤ちゃん、幼児などは外で遊び砂場などもよく遊び、そこには糞なども混じっている場合もあります。
手洗いはきちんとしましょう!

  • 接触したり、トイレ掃除の後、子供の砂場遊び等の後は必ず手洗い
  • ノミ、ダニの駆除
  • 完全室内飼い
  • 唾液の接触を避ける
  • 寝床を同じにしない

ネコひっかき病(パルトネラ菌)

感染経路

バルトネラ菌を持ったノミの吸血で犬や猫に感染し、その後、人が猫にひっかかれたり、かまれたりして感染します。
感染したノミから直接感染している例もあるようです。

症状

猫は感染しても無症状です。
人が感染すると丘疹や膿疱、発熱、疼痛や数週間から数ヶ月続くリンパ節の腫脹があります。

予防や治療

手洗い、すぐに消毒します。リンパ節の腫大、疼痛がある場合は抗菌薬が必要なことがあります。

参考サイト

トキソプラズマ症(トキソプラズマ)

感染経路

猫の糞や生肉から感染します。

症状

成猫は感染してもみかけではわからず、仔猫の場合は急性感染で死亡することがあるそうです。

人への感染では普通症状は出ませんが、妊婦が感染すると胎児の流産、死産を起こすことがあります。ただし、以下をよくお読み下さい。

猫が感染したオーシスト(虫体)を排出するのは初期の数週間、排出する猫は1〜2%、また糞中のオーシストが成熟するのも数週間かかり、人が感染する確率としてはかなり低いようですので、猫からの感染はあまり重要視されてないようです。

私も妊婦の時に猫は2匹飼っていましたが、猫を撫でていたし、トイレ掃除もしていました。
もちろん、手洗いは毎回していました。今でも手洗いはよくしています。普段から気をつけておくことですので、生活は変わりありませんでした。

予防や治療

猫の糞を直接触らない。手洗いを徹底します。
感染確率は低いとは言え気になる妊婦さんはゴム手袋をつけてトイレ掃除、その後の手洗いを徹底するとか、家族に代わりにやってもらいましょう。
(ちなみに、生肉からも感染することがあるので、妊婦さんは加熱したお肉を食べるようにして下さい!)

参考サイト

パスツレラ症(パスツレラ)

感染経路

猫に噛まれたり、引っかかれる、唾液から感染します。

症状

猫はほとんど無症状です。
人の場合は傷口の発赤、痛み、はれ、気管支炎、肺炎です。

予防や治療

猫の唾液が口に入るような接触はしないこと。

参考サイト

皮膚糸状菌症

感染経路

猫との接触、猫ベッドやおもちゃなどの間接的接触。
・・・って防ぎようがない(笑)なる時はなっちゃうぞって感じですね。

症状

猫は脱毛やフケ、かさぶたができます。かゆみは少なめ。
人の場合は発赤、かゆみ、皮疹、円形脱毛などです。

予防や治療

猫が他の猫から感染しないように気をつけること。
抗真菌薬による治療になります。

参考サイト

ノミ、ダニ:ノミアレルギー症・ツメダニ症・疥癬(ヒゼンダニ)

感染経路

直接接触や毛から落ちた虫がうつります。

症状

かゆみ、発疹など。

予防や治療

猫はノミ・ダニ駆除。
部屋の掃除、ノミ・ダニ駆除。

回虫症(ネコ回虫・トキソカラ症)

感染経路

猫の便汚染物、体毛の虫卵が口に入って感染します。
また、鶏のレバー(生肉)を食べて感染することもあります。

症状

幼猫に多数成虫が寄生すると、消化吸収・栄養摂取に影響があり、発育不良になることもあります。下痢、腹痛などの消化不良の原因にもなります。
人では発熱、倦怠感、関節の痛み、せきなど。眼移行型では、目の病気。

予防や治療

手洗い、駆除の徹底。レバーの生食を避ける。

参考サイト

鉤虫症こうちゅうしょう(ネコ鉤虫)

感染経路

猫の便汚染物の接触、皮膚を通して感染します。

症状

成猫は通常無症状ですが、寄生が多いと貧血や軟便に。子猫では症状が重くなることもあります。
人ではごくまれに皮膚炎を起こすことがあります。

予防や治療

手洗い、駆除の徹底。駆虫薬の投与。

参考サイト

ウリザネ条虫症

感染経路

猫の毛のノミが口に入って感染します。

症状

猫も人もほとんど無症状。

予防や治療

ノミの駆除、掃除を徹底、手洗いをします。
駆虫薬で条虫駆除します。

参考サイト

参考書籍