タンゲくん(著・絵/片山 健)
ある日、片方の目が怪我でつぶれた猫がわたしの家にやってきます。
お父さんが猫に「タンゲくん」という名前をつけました。
タンゲくんは私のうちの猫になりました。
でも、外でタンゲくんに会っても、しらんぷりしたり隠れたり。
外でタンゲくんが何をしているかわかりません。
タンゲくんはどこにいくんだろう?
主人公の女の子の目線でこの絵本は進みます。
完全室内飼い猫ではなく、外出もする猫を飼っている場合、飼い主は「外で何やってるんだろう」と思うことがあるかもしれませんね。
我が家は完全室内飼いなのですが、もし、外出もする猫であれば、そう思い、想像を巡らせます。
この絵本の魅力はそういう物語の進み方と、やはり絵のインパクト、ダイナミックさと意外と細かい絵の設定だと思います。
躍動感のある猫の動き、構図が素晴らしいです。
タンゲくんの顔はおどろおどろしい感じにも捉えられるのに、とても親しみを感じて、かわいいなと思います。
一見、雑に見えるのですが(失礼)、隅々までよく見ると、おもしろいのです。
隅々に気を使っている感じなんです。
表紙、裏表紙でも、虫やヤモリらしきもの、ミミズを食べている雀が描かれているし、花もいろんな種類が咲き誇っています。
また、タンゲくんの肛門もタマタマもしっかり描かれています(笑)
中の絵もじっくり見ます。
私のおなかの上にタンゲくんが乗っている場面がありますが、主人公の私の頭の上の方の絵本。
これ、実在する絵本で、我が家にもあります。トルストイの『3びきのくま』です。
もう一冊、3分の1ほど下に見えますが、こちらはちょっとわかりません。多分、実在する絵本ではないかと思うのですが。
後ろの本棚も右の方は、『ちびまる子ちゃん』かな?左の方の漫画はわかりません。
姉妹で勉強している場面では、主人公の私は何を描いているのでしょうか?
我が家の娘が「猫ちゃん描いているんやね」と言いました。
そうですね。お姉ちゃんの机に座っているタンゲくんを私は描いているのでしょうね。
外で時々見かけるタンゲくんと私の場面では、電信柱のポスターに注意です。
そう、「〜肛門科」!
私は、細かいところにまでこだわっている感じの絵が大好きです。