幸せまねき(著者/黒野 伸一)

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今回は、家族小説です。
猫のミケと犬のタロウを含む中山一家に起こる問題を中心に、家族それぞれの目線で話は進みます。

普通の人並みの幸せ家族が、少しずつ家族ひとりひとりに問題が起こり、崩れだします。
家族の話の中で、特に珍しいテーマを扱っているわけではありません。

ただ、少し違うのが、猫のミケと、犬のタロウ目線も描かれていることです。
これがなかなか鋭くて、おもしろい。
猫と犬の特徴を踏まえながら、彼らがどんな気持ちで家族を見ているかが描かれているのです。
また、逆に人間家族がミケとタロウについてどう思い、接しているのかも描かれています。

いじめに応戦していく息子、母、犬のタロウ、猫のミケたち。
犬のタロウの勇敢な姿と息子の勇気に感動し、お母さんと猫のミケたちの復讐にちょっと笑いました。

いじめや浮気という重いテーマを扱い、現実にこんなにスムーズに問題解決しにくいとは思いますが、何らかの決着がつくという点ではやはり読み終わったあと、爽快感がありました。

幸せまねき (小学館文庫)